私は今年で72歳となります。今の家をバリアフリーにして暮らしやすくしたいと思うのですが、この場合適用が受けられる控除の制度にはどのようなものがあるのでしょうか。

あの住宅が2009年4月1日~2011年12月31日までの期間内に居住用として使用したなら、一定の要件を満たした上で、実際のバリアフリーの工事費用か、バリアフリーの標準的な工事費用のどちらかの少ない額数の1割相当の金額を当年度分の所得税額から控除することが可能です。これを住宅特定改修特別税額控除といい、工事の費用が住宅ローンから補充されたものでも適用ができます。なお、2011年度分でこの控除の適用の対象になったら、次の年である2012年度分に関しては適用ができないことが原則となります。

この控除の適用を受けるための要件は、以下の通りとなります。

1. 自己所有の家屋にバリアフリーの工事を行い、その工事の日から6カ月以内に居住を始め、2009年4月1日~2012年12月31日までの期間内に自分の居住用として使用していること:自己所有の住宅が2つ以上ある場合は、主な居住用の住宅に限ります。
2. この控除の適用を受ける年度分の合計所得金額が3000万円をこえないこと
3. バリアフリーの工事をする人が、居住をしている年の12月31日の時点で50歳を超えているか、所得税法上の障害者である人・介護保険法上の用支援や要介護の認定を受けた人、またはこれらの人たち及び65歳を超えている老親と同居している日本内の居住者であること。
4. 以下のどちらかに当てはまるバリアフリーの工事であること。
(1) 脱衣室や便所、浴室やそれ以外の居室や玄関とこれらを連結する経路の床が滑りにくくするための工事
(2) 介助用の車椅子での移動を容易にするための出入り口・通路の幅の拡張工事
(3) 出入り口の戸に関わる工事で、戸に戸車などの戸の開閉をしやすくする道具の設置・開戸を折戸や引戸などに替える工事・開戸のドアノブをレバーハンドル等に替える工事のどちらかであること。
(4) 階段の設置や改良をすることで、その勾配を緩やかにする工事
(5) 脱衣室や便所、浴室やそれ以外の居室や玄関とこれらを連結する廊下に手すりを付ける工事
(6) 脱衣室や便所、浴室やそれ以外の居室や玄関とこれらを連結する廊下の床の段差を無くす工事:屋外と接する開口の出入り口や上り框、浴室の出入り口の場合は、段差を小さくする工事も含まれます。
(7) 便所の改良工事の中で、座便式の便器の座高を引き上げる工事や排泄とその介助をしやすくするために便所の床面積を広げる工事、便器を座便式に替える工事の何れかに当てはまる工事
(8) 浴室の改良工事の中で、工程式の踏み台や移乗台とそれ以外の高齢者などの浴室の出入りをしやすくする設備の設置・入浴とその介助をしやすくするために便所の床面積を広げる工事・浴槽をまたぎ高さの低いものと替える工事・高齢者などの体の洗浄をしやすくする水栓器具の設置や同じ器具の取り替えの工事の何れかに当てはまるもの
5. 対象にしたいバリアフリーの工事の費用が30万円以上であること
*2011年6月30日の後に行われるバリアフリーの工事に関わる契約を結んで、その工事のことで地方公共団体や国からの補助金など・介護保険法の規定からの介護予防住宅改修費や居宅介護住宅改修費などを貰っている場合は、その補助金などの額は控除されます。
6.工事を行った後の対象住宅の床面積が50㎡を超え、床面積の半分を超える部分が工事を行った人本人の居住用としてつかわれていること
*ここでの床面積は、基本的に登記簿に記載されている床面積で判定します。ただし、事務所や店舗などと並行して使われている住宅の場合はその事務所や店舗などの部分を入れた建物全体の床面積によることとなり、マンションの場合は共用の部分の床面積は入れず、登記簿での専有部分で判断します。また、親子や夫婦などとの共有住宅の場合は、その共有持ち分を入れた建物全体の床面積で判断します。
7.全体の工事費用の半分を超える金額が工事を行う本人の居住用の部分の工事費用であること

この特別税額控除の額数は、バリアフリーの工事の実際の費用か、バリアフリーの工事の標準的な費用の何れかの少ない金額の1割となります。2012年度分は最高150万円で、2009年度分~2011年度分までのものは最高200万円が限度になります。
この費用からも、国や地方公共団体からの補助金などや介護予防住宅改修費、居宅介護住宅改修費の金額は控除することになります。

この特別税額控除を受けるためには、必須事項を書き記した確定申告書と共に以下の書類を添えて管轄税務署長宛てに提出してください。

1.給与所得が生じている場合は、その給与所得の源泉徴収票
2.住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書
3.介護保険の被保険者証のコピー:要支援・要介護の認定を受けている人やこれらの人と同居する親族がバリアフリーの工事をした場合に限られます。
4.住民票のコピー:要支援・要介護の認定を受けている人や障害者、65歳を超える親族と一緒に住んでいる人の場合は、その同居している親族も記載されているもの
5. 工事請負契約書のコピーなどの改修工事の年月日・その費用金額が明確にされている書類:2011年以降にバリアフリーの工事に関わる補助金を受けた場合は、その補助金などの額数を証明する書類の添付も必要です。
6.増改築など工事証明書
7.家屋の床面積が50㎡を超えることが明確にされている登記事項証明書などの書類

この控除を受ける際に、特定増改築など住宅借入など特別控除や住宅借入金など特別控除の適用の条件もすべて満足させている場合は、これらの控除の中で1つを選ぶことになります。この選択はその後の期間も選択を替えて他の控除の適用を受けることはできませんので、注意が必要です。